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X線CTの三次元画像で作ったリアルに中まで見える3D積層フィギュアのネットショップ

3D積層フィギュアの作り方(1) X線CTスキャナって何?

ミケオです。

先日だんごむしのガチャガチャに出合ったので回したけれども、出てきたのはクマムシでした。似ている気がするのでこれで良しとしました。

 

さて本日からは、3D積層フィギュアの作り方をご紹介します。第1回はX線CTスキャナとCT画像についてです。

3D積層フィギュアは、実物の断層画像をプリントしたパネルを積層することで立体的にみえる模型です。完成までのフローはこんな感じです。

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CT画像をどうやって手に入れるのか

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まずは模型にする実物の画像が必要になります。

この画像を得るために、X線CTスキャナなどの装置を使用します。これは物質と透過するX線の性質を利用して、対象物を壊さずに内部構造を調べる装置です。簡単に説明しますと、装置の中にある回転台に対象物を入れてくるくると回しながらX線を当てることで、対象物の中を撮像し、CT画像を出力してくれます。装置の種類やメーカーにもよりますがおおよそこのようなものです。CT画像は対象物を輪切りにしたときの切り口のような画像で、モノクロです。立体物を何層にも切っていくため、画像は数百枚に及びます。

身近なイメージに置き換えると、包丁で野菜や果物を切ることと似ています。ピーマンをヘタ側から輪切りに薄く切っていき、その断面を一枚ずつカメラで撮影してできた写真はまさに、このCT画像です。

大きな違いは、対象物を切って(破壊する)撮る切らないで(非破壊で)撮るかです。

 

X線CTスキャナなどの非破壊装置って何か

X線CTスキャナときいて、何を思い浮かべますか。ミケオはやっぱりレントゲンです。ミケオの骨や肺をモノクロ写真で見せられたときの衝撃は忘れられません。ほんとに折れてる!

一般的に広く認知されているのは、医療用のCTスキャナだと思います。大きな病院の健康診断や人間ドックで、ドーム型の装置に体を通したことのある人もいるでしょう。このような医療用の大型装置だけでなく、多種多様な分野にX線CTスキャナや同じように非破壊で撮像する装置は実用化されています。

例えばこんな装置があります。

医療用X線CTスキャナ

主に医療機関にあります。全身用は大型でとても高額らしいです。体を輪切りにして体内の様子を撮像します。

産業用X線CTスキャナ

メーカーや研究所にあります。大きさは様々あり、工業製品全般の故障解析や樹脂や金属といった素材の可視化や評価に用いられます。

MRI

おもに医療機関にあります。医療用X線CTスキャナと同じく、よく健康診断で使われます。CTスキャナとは異なり磁気の力を用いて撮像します。

共焦点レーザー顕微鏡

産業や生命科学分野で回路や半導体の品質管理として使われます。顕微鏡のひとつです。

FIB SEM

半導体や電子を扱う研究所やメーカーなどにあります。

集束イオンビーム(FIB)装置をもちいて、数ナノメートルサイズの試料の断面を観察する装置です。電子顕微鏡のひとつです。

 

原理は違えど、いずれも対象物を壊さずに中の様子を観察したいという目的を叶えてくれる装置たちです。3D積層フィギュアはこの対象を壊さずに撮像できる技術があるからこそ生まれたといえます。

 

次回は断層画像を模型のピースにするための方法や仕組みをご紹介します。

更新予定は7月21日です。